散歩中に死体を見る羽目になったことと、この経験から学んだこと
数年前、まだ関東に引っ越していないときの話です。
当時は散歩が趣味で、ストレス発散のためにせっせと歩いていました。
何しろ親の介護のため、自宅と実家の往復と家事2軒分を、やっとこなす毎日。
当然働くこともできずに、悶々としていました。
子供たちもまだ中学生だったと思うので、思春期の難しい年ごろでした。
そのため散歩の時間が何より、楽しいのです。
普段の忙しさや、もやもやしたすっきりとしない気持ちの整理ができるようで、
イキイキと動ける、唯一の時間でした。
この頃は、車を使って、10分くらいの自然豊かな公園まで行ってから歩いていました。
いつもと同じく、駐車場に車を止めて、近くにある野球場の周りをぐるっと
一周歩いてから、公園内を歩くようにしていました。
この野球場の周りはほとんど砂利道で、車がやっと一台通れるかどうかぐらいの細さでした。
周りの草も多く、人が歩くような場所とは思われなかったようで、他の人に会うこともなく悠々と歩くことができて、私のお気に入りの場所でした。
しかし、この日は駐車場のまわりに青いブルーシートが見えました。
パトカーも来ていますが、サイレンは鳴らしていませんでした。
「なにかあったのかなー?」
とあまり関心もなく、ブルーシートの両端を持つ警察官二人を見ながら、
球場の周りを歩き続けていたら、ブルーシートの手前に死体が見えました。
警察官は駐車場から見えないようにブルーシートを広げています。
私はその反対側を歩いていますので、丸見えです。
車のわきで、座り込むように足を延ばして亡くなっている、初老の男性でした。
多分、急病で亡くなったようでした。
こんな所で、急に亡くなるなんて思いもしないで、突然亡くなったように見えました。
少し離れたところに、大学生らしい(近くに大学がありました)女の子二人が、警官に話を聞かれていました。
発見した人達だろうなと思われました。
女の子たちもまさか死体を発見するとは思ってもいなかったことでしょう。
私も死体を見る散歩になるとは思っていませんし、
ブルーシートを持っていた警官たちも、まさかこっち側に人が散歩してるとは
思ってなかったようです。
亡くなった方も、今日、自分が死ぬとは思っていなかったことでしょう。
私は、この経験から、ぴんぴんころりは理想だけれど、それはある程度、亡くなる準備をしてからのほうが良いということがわかったのです。
そして、自分に何が起きても良いように、家族に残すメッセージや、
必要な書類の場所をエンディングノートに残す必要があるということを学びました。
また、後悔の少ない人生にするためには、バケットリストは本当に必要だと思ったのです。日々、悶々としている場合ではなかったのです。
この死体を見なかったら、こんなことは一生考えずに終わってしまいそうですが、
この経験から、死ぬまでの準備が必要であることを、学べたのです。
亡くなった男性に感謝します。ありがとうございました。
天国でゆっくり休んでください。
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